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イベントレポート

2018/2/28
【厚生労働大臣賞受賞】
伊藤忠商事株式会社の事例発表報告:代表取締役 専務執行役員 CAO 小林 文彦氏

社員4,000名強の会社であり、同業他社と比べると2割~3割少ない人数で事業展開しているため、社員一人あたりの存在価値が高く、一人ひとりの生産性を上げることによって、少ない人数でも成果を上げているとのことです。「がんとの共生政策」も生産性を上げることの一環ととらえているそうです。

生産性の向上には、直接的には「長時間労働の是正」や「メリハリのある働き方」などがありますが、間接的には「社員のモチベーション向上」「社員の能力開発」「健康経営」が必須と考えています。「がんとの共生、両立支援」は健康経営の中に位置づけているとのことです。

そもそもがん対策に取り組みきっかけとなったのは、がんに罹患した従業員と岡藤社長が個人的にやり取りをしていた中で、「日本で社員が幸せな会社ランキングで2位となったが、自分にとって2位ではなく、日本で一番いい会社である」とつづったメールに心を打たれたことです。社員を家族だと思い、がんに真摯に向き合い、今後、どのようなことがあっても会社が社員を引き受けるから、自分の居場所はここだと思ってほしいと考えたそうです。その決意文書が、「がんに負けるな」でした。

「社員をがんにさせない」「がんになっても絶望させない、辞めさせない」「皆で支える」ことを共生政策の軸とし、安心して相談・情報共有できる環境を整備し、社内周知の徹底、国立がん研究センターと提携し予防・早期発見・治療をサポートする体制を強化すること、両立支援コーディネーターを設置し治療をしながら働き続け、活躍できる社内体制・制度の整備を行っています。それによって「組織力の強化」を目指しています。

施策検討に当たっては、まず、産業医より、がん治療をしながら働く社員に対してアンケートを実施し、実態を把握しました。

その結果、がんを罹患したことを組織内で共有している社員は約25%、限定的に共有している社員は65%ということが分かりました。

また仕事と治療を両立するにあたり、時間的に治療と仕事の両立が難しいこと、勤務時間や通勤時間が体力的に負担が大きいこと、再発への不安、周囲に迷惑をかけるのではないかという心理的負担などが上がりました。また、家族や医療スタッフの支え、仕事のやりがいや居場所が心の支えになっていること、またフレキシブルな働き方によるキャリア継続や、相談窓口、サポート体制などが会社に求められていることが分かりました。

また、国立がん研究センターと提携し、がん発見に特化した専門医の「がん特別検診」の実施や、要精密検査となった際にはがんセンターで精密検査を受けられるようにし、がんが発見された場合は、がんセンター専門医と即時連携し、直ちに、最先端治療を受けられる体制をとっています。また企業で管理しているがんに罹患する前の健康情報を国立がん研究センターに提供することによって、がんの研究へも寄与しています。それに加え、将来への不安軽減として、万が一社員が亡くなった場合、社員の子どもが小学校~大学院修了するまでの教育費支援を公立水準から私立水準へ拡充したり、就職保証として、残された配偶者が家事専業で、ご本人に就職のご意思がある場合は、グループ内での職場を斡旋するなども行っています。さらに子女が社会人になる際、就職先として当社グループを希望する場合は、グループ内で斡旋するなどしています。

小林 文彦氏
▲伊藤忠商事株式会社 専務執行役員 CAO 小林 文彦氏

2018/2/28
【がん対策推進パートナー賞 検診部門受賞】
ヤスマ株式会社の事例発表報告:総務部長 角地 博氏

社員210名の企業であり、「社員が財産、社員が健康でないと良い仕事はできない。」というオーナーのミッションから、がん対策に取り組んでいます。「社員が定年後も家族とともに健康で暮らせますように」を目標としており、その一つとしてがん検診を含む健康診断を一番重要なカギとしています。その他家族への啓発活動や嘱託医の指導、スポーツの推進や健康情報の提供をも行っています。

10年以上前から、健康診断・がん検診受診率100%を達成。5年前から精密検査受診率100%も達成しております。そのために行っていることは以下の7つです。

1.健康診断は業務の一環として、業務内に実施。それにかかる交通費も支給
2. 健診の予約は、本人の希望を聞きながら事業所の総務課が行うことで、受診漏れが無くなる
3.がん検診(胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん)も対象者全員が受診し、会社が費用を負担
4.健康診断の結果は、産業医とは別の嘱託医が全社員分を確認し、指導
5.嘱託医の指導内容は各事業所総務課を通して該当社員(再検査、要治療等の指導のある社員)へ通知
(※全体の16.7%が指導を受けている)
6.指導通知後、3か月後を目途に対応結果をフォローする
7.扶養している配偶者にも健康診断及びがん検診の受診を勧めている(ただし費用は自己負担)

また毎期の会社方針の1つに「健康経営の推進」を掲げているため、以下の3つの取り組みも行っています。

1.全社員が、各自の「健康目標」を立てて、取り組んでいる(目標管理の1つでもある)
2.社員の健康づくりの支援として、始業前のラジオ体操、フットサル部の支援、ヨガ教室の開催
3.朝礼時にオーナー自らがんや健康について情報提供をしたり、協会けんぽ作成のパンフレットを常設し、健康に役立つ情報を提供

角地 博氏
▲ヤスマ株式会社 総務部長 角地 博氏

2018/2/28
【がん対策推進パートナー賞 がん治療と仕事の両立部門】
テルモ株式会社の事例発表報告:人事部長 竹田 敬治氏

ご自身は、人事部の他、健康保険組合理事長を兼任し、社員の健康管理を担当されています。社員は単体で約4,800名、グループ全体では約2万3,000名の会社です。社長が自らメッセージを出して社員の健康のリーダーシップを取っているため、それが追い風となっているそうです。

<全社員に向けた社長メッセージ>

・テルモは医療に携わる会社であり、社員の健康管理に積極的に関わり、常に他社の目標にされるような会社でありたい。
・一人一人が自分自身の健康を見つめ直すことは、医療について理解を深めることにもつながり、大変有益。
・テルモは、『医療を通じて社会に貢献する』という企業理念を持っているので、社員の健康増進に力を入れるのは当然のこと。
・"Innovating at the Speed of Life"というビジョンを掲げる以上、平凡な取り組みではなく、先進的で、他社の見本になるような取り組みをしたい。

健康経営銘柄を4年連続取得しており、以下の4つを健康経営方針に掲げています。

1.喫煙率・メタボ率の低減(喫煙はがんに関係するため、産業医による社内禁煙外来も実施)
2.がん検診による早期発見のほか、がんに罹患した社員が、無理なく職場復帰し、また元のように働ける環境づくり
3.女性社員増員に合わせ、女性特有の健康管理にも注力
4.健康管理の自発的取り組みの奨励と、そのための情報発信

その他さまざまな工夫をされています。 例えば、がん検診を受けやすくするため、法定健診とともにがん検診を受けられるようにしています。 また精密検査の受診も重要と考え、要精密検査となった社員の精密検査も費用補助をし、有給休暇を使わず公用外出扱いにして受けられるようにすることで、受診率向上を達成。営業支店については検診受診率を支店別に確認し、支店評価に加える他、受診勧奨に力を入れています。更に乳がんのMRIの費用補助として25歳から5年ごとに2万円の補助を行ったり、被扶養者へも啓発冊子を配布する等して、女性の健康増進にも注力しています。

2017年1月からがん就労支援制度を開始。過去3年間に失効した有給休暇を1日単位で利用できるようにしたり(ただし有給休暇を使用し終わってから)、無給休暇を必要日数分付与し、翌年の有給休暇発生に配慮したり、最大2時間の無給短時間勤務や、最大2時間後ろ倒し・前倒しのできる時差勤務を実施したりして、がん治療と仕事を続けられるようにしています。

今までも個別運用でサポートはしていましたが、がん就労支援制度として明文化することにより、会社から社員へのメッセージとして伝わったそうです。柔軟な働き方の実現、休暇の補充を行うようになったことで、がんと戦っている社員の上司、職場のメンバーの理解が得られ、本人の心の支えにもなったそうです。

竹田 敬治氏
▲テルモ株式会社 人事部長 竹田 敬治氏

2018/2/28
【がん対策推進パートナー賞 がんの情報提供部門】
朝日航洋株式会社の事例発表報告:航空事業本部 営業統括部 渡部 俊氏

約70機のヘリコプターと2機のビジネスジェットを保有しており、報道ヘリ、山間部等への物資の輸送、ドクターヘリなどの運航を行っている会社です。 ご自身が結婚の翌年に大腸がんに罹患し、肝臓に2回転移、最後の手術から2年が経過しているそうです。がんに罹患した経験を通して、がんに罹患すると金銭的、肉体的、精神的なバランスが崩壊すると感じたそうです。そのような状況下で業務の引継ぎや病気のことを考えることは難しく、そのことを会社に知ってほしいと思い、活動を始めました。

まず、社内のイントラネットの掲示板に、仕事の両立について人事部が掲示したのをみて、提言書を作成、人事部に提出しました。

<提言書の内容>

① がん罹患者2名、人事部1名、企画担当1名を集めて、プロジェクトチーム「私傷病と治療の両立分科会」の結成。社内へ活動内容と今後の取り組み(目標)を明示すること。
② チームががんについて正しい知識を持つこと。感覚論でなくデータから整備を行うこと。
③ がんについての情報を知らせる、社内のイントラネットにがん情報を掲載、ハンドブックの作成(現在作成中)、講演、雑誌取材受けることなどの社外活動により、社内の知識も深めていく。
④ それらの情報を元に会社を変えていく。上司/同僚からの配慮好事例をみんなに知らせたり、就業規則の改定を行う。

実際に社内のイントラネットに人事部発で「がんの治療と仕事の両立について【情報提供】」掲示。データ整理では傷病報告書を整理したところ、がん罹患率が4人に1人だったことがわかり、がん対策の重要性を発信しています。ハンドブック内ではがんに罹患するとどのくらい費用がかかってきて、どのくらい返ってくるのかについて渡部さん自身の事例をもとに掲載しています。私傷病等で使える「積立失効有給休暇」は社内制度としてはあったものの、実際中身を知られていなかったため明文化し、就業規則をわかりやすくしました。失効有給について各種意見を聞いたところ、有給休暇すべてを使い切ってからの使用は、子どもの行事や冠婚葬祭時に有給休暇がを使えないという意見があったため、有給休暇を5日残してからでも取得可能と昨年から改訂されました。また、好事例に関しても、時短勤務が良かった、サテライト勤務がよかったなど、がんに罹患した方からヒアリングし、掲載しています。

大事なことは、「規則や資料を作りっぱなしで終わらせないこと」だといいます。チームが支社に出向いて、資料の紹介やがん教育などを行い、上長の意識と罹患者の責務をしっかりと植え込むことが重要だと考えています。

渡部さんは罹患者の責務として、会社から与えられた権利を当たり前と思わないこと、病気を抱え込まず、傷病報告をしっかり行い、「何ができ」、「どこまでできるのか」を伝えることが重要であるとしました。

渡部 俊氏
▲朝日航洋株式会社 航空事業本部 営業統括部 渡部 俊氏
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