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イベントレポート

2017/05/31
「がん教育推進議員連盟」授業を開催しました

暁星中学校にて、2年生を対象にした「がん教育」の授業として、暁星小・中・高等学校の卒業生である、東京大学医学部附属病院放射線治療部門長の中川恵一氏による授業と「がんを知ろう」トークと題して、中川氏と肺がん・大腸がん経験者でフジテレビ社員の松本守氏による対談が行われました。
中川氏による「がん教育」の授業
授業の前に、がん教育推進議員連盟を代表して、前文部科学大臣である馳浩(はせひろし)氏による挨拶がありました。馳氏は「国会でがん対策基本法という法律が改正された。その中にはがん教育の大切さも謳われており、がんについて具体的に理解し、正面から向き合おうという意図がある。今回のようにがんについての授業が全国で展開されているのもこのためである」と、がん教育及びがんについての授業についての目的を明らかにしました。

続いて中川氏から、ここ数年で多くの人の努力によってがん教育への道が開かれ、今年の4月から全国の小中高、とりわけ中学2年時にがんの授業をすることになったと説明がありました。授業の内容に入る前と授業中には、もし生徒たち自身の周りにがん患者やがんで亡くなった人がいて、授業を聞いていてつらかったり苦しかったりしたら気兼ねなく退出してもよいという配慮がされました。

授業は中川氏の学生時代の写真や自身がテレビ出演した映像をスライドに映しながら進められ、それを基にしながら「がん家系」という誤った認識や「肉・魚の焦げ目を食べるとがんになりやすい」ということが迷信であることなどの説明がありました。がんについての教育がされてこなかったためこのような誤解が生じていると解説し、実際に「男女どちらががんになりやすいか」「男性の何人に1人ががんになるか」などのクイズが出されましたが、正解した生徒の割合は高くはありませんでした。また、細胞分裂の際にコピーミスが生じることによりがん細胞が発生することや、生じたがん細胞が免疫力の低下により壊されなくなることで発がんすること、がん細胞が1センチになるのに20年かかるなどの解説がありました。
がん教育授業1
続けて中川氏は、罹患しないために最も有効なのは受動喫煙を含むタバコを吸わないことであると強く訴え、帰ったらこの授業のことを必ず両親に伝えるように話しました。また、がんは罹患しても進行しないと症状が出にくく、生活習慣だけでは防げないものであることが述べられました。そこで、健康的な生活習慣に加えて元気なうちから年1回定期検診を受けるように勧めました。

続いて手術・放射線療法・化学療法というがん治療の3つの柱について話がありました。一般的には手術以外に治療方法がないと思われがちですが、実際はこれら3つから選択できることを伝えました。また、この3つに加えて心身の痛みを和らげる「緩和ケア」についても説明がありましたが、授業での説明前に「緩和ケア」という言葉を聞いたことがある生徒は10人にも満たないほどでした。緩和ケアが足りないと痛みによる苦痛に加え短命である傾向があり、患者は二重に損をしているということです。末期はもちろん、診断直後の自殺率の高さから早期のがん患者も精神的負担が重いことは明らかであるとして、医学的な治療に加え、早い段階からの緩和ケアの重要性を示しました。

最後に、授業のために作成された映像を用いて、がんは決して怖い病気ではなく、適切な治療をすれば健康な生活に戻れること、健康な毎日が実はとても幸せだということを提示し、家族や友人をもっと大事にしてほしいと述べました。
がん教育授業2
松本氏の上司、清水氏による挨拶
休憩をはさみ、トークに先立って中川氏の暁星時代の同級生であり、松本氏の上司でもある清水氏によるお話がありました。現在医療・がんに関する仕事をしており、今年からがん教育が始まるという話を聞いて良い取り組みだと思っていると述べました。知識があればがんが予防できる時代になってきており、個人での予防は国家医療費抑制となります。話の最後にはこういった機会を利用して知識を蓄えていくことが社会の様々なことに繋がっていくことを覚えておいてほしいとまとめました。
中川氏、松本氏による「がんを知ろう」トーク
松本氏は自身が大腸がんと肺がんという2つのがんを経験しており、当時50歳だった妻は乳がんで、カリフォルニアに赴任していた次男は34歳のときに肺がんで命を落としたという話から始まりました。妻に関しては家で最期を迎えたいという意志があり、がんの影響で下半身不随になってからは家で家族の介護を受けていました。特に排泄に関しては自分の子供の助けを借りることに抵抗があり、夫である松本氏にお願いしていたとのことです。気にせず何でも言える相手は夫だけだったとのことで、松本氏は生徒たちに「帰ったら、両親にお互いを大切にするよう言ってあげてほしい。そしてお母さんに乳がん検診に行くよう伝えてほしい」と話しました。

女性とがんの関係について、中川氏は「日本人全体で見るとがんになりやすいのは男性だが、54歳までは女性の方が多い。世間の印象としては日本人全体でも女性の方がかかりやすいと思われがちだが、これはがんに罹患したとしてテレビに出る芸能人が女性ばかり、とりわけ罹患しやすい30、40代の人ばかりであるためだと考えられる」との見解を述べました。また、「がんが治った人は完全に普通の人なので、がんを正しく理解するとともにがん患者への印象を変えてほしい。がん患者の望み通り、普通に接してほしい」と訴えました。そして今一度、お母さんに乳がん検診に行くことと夫婦仲良くすることを必ず伝えるように言いました。中川氏に続けて松本氏は、30代で亡くなった次男を例として挙げ、「がんに限らず、親よりも先に子供が死んではいけない。まずは、親より先にがんにかかって死なないためにも、予防・検診に努めてください」と伝えました。
がんを知ろうトーク1
がんを知ろうトーク2
生徒からの質問
「がんになると、痛み以外にどのような症状が出るのか?」
(中川氏)
症状はがんの種類によって異なる。例えば進行した肺がんではせきやたんが出る、食道がんになると、ものが詰まって食べられない、脳腫瘍だと話せなくなったり手が動かなくなったりする。松本氏のような大腸がんの場合、排泄器官に支障を来し腹痛などを起こした。ただし、がんは初期症状がないためこのような症状が出たら末期。松本氏の場合もわりと危ない状態だった。症状が出てから病院に行ったのでは遅い。すべての早期がんでは症状が出ないので、定期的に検診に行ってほしい。
生徒との質疑応答
中川氏から生徒に問いかけ
問いかけ 出てきた意見
「両親をがんから守るために、あなたにできることは?」 「(元気なうちに)検診を勧める」
「タバコをやめさせる」
   →どのように?
      →タバコを取り上げる
「タバコに関して、政治家にやってほしいことは?」 「喫煙したら税を上げる」
「喫煙者を非喫煙者から隔離する」
「販売自体をやめる」

など様々な意見が出ました。
最後に
授業の終わりに中川氏は「繰り返しになるが、今日話したようながんについての話を君たちのご両親は知らない。周りと相談するなどしていろいろと深く考え、君たちがご両親を守ってほしい。例えば、仲の良い人と共同で署名をして両親向けに提案をする、手紙を書くなどして、君たちらしい啓発を行ってほしい」と伝えました。
生徒たちの声
休憩時間などに生徒に今回の授業について感想を聞きました。一部をご紹介いたします。

「わかりやすくて面白かった。ためになった」
「父が喫煙者なので、帰ったら話をする」
「初めて聞くことばかりだった。帰ったら両親に話す」
「家に喫煙者はいないし、話さなくてもいいかな……」
「2年おきに検診を受けている父(医療関係の仕事をしているわけではない)がおり、家でもがんの話をすることがある」
「両親に検診を受けているか聞いてみる」
「治療方法は手術だけではない、というのが印象的だった」


以上のことから、中川氏の思いがしっかりと生徒に伝わっていることがうかがえます。また、がんに対する意識が高い家庭がある一方、がんについて初めて知る生徒や、多少の知識があってもテレビ等のイメージが強く、限定された知識しか身についていない生徒もおり、がん教育の重要性ならびに効果が強く感じられる機会となりました。
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