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イベントレポート

2017/05/24
【第90回日本産業衛生学会】にて公募シンポジウム6
『職域における総合的がん対策』を開催しました

第90回日本産業衛生学会(2017年5月12日、東京ビッグサイト)において、がん対策推進企業アクションのアドバイザリーボードメンバーが中心となって企画したセッションが、「公募シンポジウム6-職域における総合的がん対策」として実施されました(座長:中川恵一東京大学准教授・放射線診療部門長/がん対策推進企業アクションアドバイザリーボード議長)。1000名を収容する会場で立ち見が出るほどであった状況だったことからも、このテーマへの関心の高さがうかがわれました。
シンポジウム
国が進める対策と制度について
シンポジウムは、渡辺真俊氏(厚生労働省 健康局がん・疾病対策課)による、がん罹患者のうち20-64歳が29.7%、20-69歳まで拡大すると42.9%を占めるとのデータ(2012年)の紹介からスタートしました。これは、職域でのがん対策がいかに重要であるかを端的に物語っています。また、平成18年のがん対策推進基本法成立から、事業主の責務やがん教育に関する規定などが盛り込まれた昨年12月のがん対策基本法の一部改正までをレビューし、今後に向けては、厚生労働省内の健康局・職業安定局・労働基準局の連携や、「働き方改革実現会議」による取組み、今年予定されている第3期がん対策推進基本計画など、対策の加速化を実感するお話となりました。
職域でのがん教育の重要性
続く中川恵一氏(前出)も、がんが定年退職者から現役社員の病気になったことに触れた上で、「働き方改革実現会議」が掲げる、主治医・会社・産業医などのトライアングル体制、特に産業医が関わることを大きなステップであると話しました。一方で、そのサポートを受けるに至る前の、最初の治療開始前に4割超の患者さん自らが離職を選択あるいは廃業に追い込まれることを指摘、聴衆に「がんで辞めない・辞めさせない」ことを呼びかけました。また、就業継続する上での検診による早期発見&治療の大切さにも言及しています。そのためには、社員の医療情報に対するリテラシー、そして何より経営者のリテラシー醸成が欠かせないとして、「大人へのがん教育」も、がん対策推進企業アクションの大きなミッションであることを強調しました。
シンポジウム2
職域でのがん検診の特徴
立道昌幸氏(東海大学医学部 基礎診療学系衛生学公衆衛生学教授)によると、働く人の7割近くが職域でがん検診を受けています。職域の利点として、住民検診に比べ小規模であることによる個人へのアクセスのしやすさ・双方向性、蓄積された個人データに基づくリスクと検診を受けることの利益-不利益バランスを考慮した個別化されたがん検診の可能性などが挙げられました。一方で、職域での検診のガイドラインがないこと、情報管理の問題、医療職の課題として精密検査受診率(精査率)向上のための個別対応や専門知識・情報の必要性、など難しさにも言及しています。しかし、これらが解決され職域での検診が充実すれば、がん対策を大きく推進する可能性を持っていること、さらに、がん検診へのリテラシー向上は、がんに対する理解や両立支援にもつながるとしめくくりました。
がん労働者の就労支援
厚生労働科学研究がん対策推進総合研究事業「がんと就労」研究に取り組んできた高橋都氏(国立がん研究センターがん対策情報センター がんサバイバーシップ支援研究部長)は冒頭、職域とがん治療の現場をどうつなぐかが大事だと語り、主治医が抱きがちな懸念を解消することによる職場への適切な情報提供、医療スタッフと事業場の視点のズレの解消が講演テーマの一つとなりました。対応策として、研究成果である『がん治療スタッフ向け 治療と仕事の両立支援ガイドブック』など、様々あるツールの中から各々のニーズにあったものを活用することを提案しました。しかし、同じがん、同じ治療でも患者さんの状況は一人ひとり違い、フォーマットだけでは解決できない個別性をどう担保するか、また、医療機関に対して産業保健スタッフはどう働きかけられるのかなど、問題提起がなされました。
職域でのがん対策における産業医の役割
立石清一郎氏(産業医科大学 産業医実務研修センター講師)は、健康経営、人材確保等の観点から、がん患者さんの復職への対応などに動き出す企業が増えつつある中で、産業医が何にどう取り組むべきかに対して、アントート結果(産業医学推進研究会メーリングリスト参加者、n=72、85%が300人以上の企業所属、2017年5月実施)をもって方向性を示すことを試みました。例えば、職域でのがん検診においては「検診受診啓発、精度管理、精密検査(精査)受診勧奨」が必要な項目として支持される結果となりました。立石氏も、抄録の中で「本来的にはスクリーニングとして実施されるがん検診の精密検査管理は必須であるので、個人情報の問題、費用負担の問題、人的資源の問題などを包括した上で、企業にあるべきがん検診の実施の方略を提案することは産業医にとって重要なスキルであると考えられる」と述べています。
シンポジウム3
質疑応答など
まず、会場から産業保健スタッフがいない中小企業におけるがん対策の進め方について、質問が挙がりました。登壇者からは、医療機関の臨床スタッフと企業の間の情報共有について、地域で勉強会が開かれている事例が紹介されました。また、「経営者の理解が社員を守る」として、経営層のリテラシーの向上が大切であることが、改めて強調されました。そして、社内啓発を目的にがん対策推進企業アクションが作成した「衛生委員会向けの資料」(ホームページからダウンロード可)が紹介され、会場に集まった産業保健スタッフに活用を促しました。 また、「収益を上げることが必須の企業にとって、患者さんを雇い続けることは難しいのではないか」との会場からの意見に対しては、自治体からの支援例として東京都の助成金制度が紹介されたほか、がんサバイバーは仕事へのモチベーションは高い人が多く、企業や社会に貢献できるという回答もありました。 最後に、なかなか職場に自分ががんに罹患したこと、治療中であることを伝えられない、伝えていない現状に触れ、患者さんに向けては、「がんであることを職場に伝えても大丈夫」だと発信してほしいこと、そのために、社会を、企業を変えていかなくてはならないことを共有し、シンポジウムを終了しました。
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