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イベントレポート

2016/11/25
がん対策推進企業アクション「京都セミナー」を開催しました

2016年11月25日、京都市下京区のメルパルク京都で〈がん対策推進企業アクション「京都セミナー」〉を開催しました。全国7ブロックで開催されるセミナーの第五弾。会場満席となる150名の方が参加しました。開催概要はこちらをご覧ください。
会場
▲会場
受付
▲受付
がんに対する国の取り組み紹介からスタート
最初に登壇したのは、厚生労働省健康局がん・疾病対策課 課長補佐の大谷剛志氏です。大谷氏は『我が国におけるがん対策について』というテーマで、がんの現状や国がこれまで行ってきた施策を紹介しました。平成18年6月に「がん対策基本法」が議員立法によって成立。ここから国の施策が本格化し、翌19年にがん対策推進基本計画(第1期)がスタート。基本計画は5年ごとに見直されていて、現在は第2期計画の最終年にあること、現在、第3期計画の協議が進められていることが語られました。

また第1期で定めた『10年間で年齢調整死亡率を20%下げる』目標が難しい状況にあるため、平成27年に『がん対策加速化プラン』を打ち出し、第2期計画と平行し、取り組みを強化しているという説明がありました。そしてがん検診の現状については、目標である50%に到達していないこと、国際比較において低い受診率であることを紹介。『がん対策加速化プラン』で受診率向上と、がん患者への就労支援に注力をしていることを語りました。

さらに就労支援の具体例として、ハローワーク(職業安定局)における治療と両立可能な求人の紹介、労働基準局が策定した治療と職業生活の両立支援プランを紹介。健康局と合わせた厚生労働省の3局で積極的な施策を展開していると語って、大谷氏は降壇しました。
厚生労働省健康局がん・疾病対策課の大谷課長補佐
▲厚生労働省健康局がん・疾病対策課の大谷課長補佐
「治療と職業生活の両立支援ガイドライン」について
続いてステージに立ったのは、京都産業保健総合支援センター・両立支援促進員の埜村順子さんです。埜村さんは、厚労省が策定した「治療と職業生活の両立支援」に5つのポイントがあると説きました。それによれば(1)がんの5年生存率は60%以上。つまり、がんイコール死ぬ病気ではなくなっている。(2)日本人の2人に1人ががんになり、その3分の1は生産人口である。(3)働く人が、がんになる時代。そして特別な病気ではない。(4)がんを告知する時代になり、自身で治療と仕事を考える必要がある。(5)がんの入院治療は平均3週間。外来治療にシフトしていて、完治してから職場復帰するという時代でもない。

そのうえで「とはいえ、罹患(りかん)した人は働き続けられるかが不安。事業者サイドも適切な対処方法がわからないという現状。だからこそガイドラインが必要」と施策の意義を語りました。そして両立支援の詳細や企業に必要な環境整備を説明。当サポートは労働者(会社員)が主治医を通じて事業所に申し出ることからスタートするなど、支援が行われるフローにも触れました。また患者から主治医へ、主治医から企業・産業医へ提出する資料のフォーマットなどについても説明し、埜村さんの講演が終了しました。
京都産業保健総合支援センターの埜村順子さん
▲京都産業保健総合支援センターの埜村順子さん
がん検診対策企業アクションの取り組みと現状の紹介
続いて登壇したのは、がん対策推進企業アクションの川幡卓也事務局長です。事務局長は当プロジェクトの目的について『がん検診』受診率の向上、がんに対する基本知識の提供と説明したうえで、がんとがん検診に関する各種データを紹介。明らかにしたデータをもとに、企業においては要精密検査対象者への受診勧奨、がんと診断された従業員への就労支援が重要であると訴求しました。さらにプロジェクト参画企業に募ったアンケート結果から、就労支援の制度化が進んでいるのは大企業だが、中小企業は個別へのきめ細かなサポートが行われていると紹介しました。

その後、昨年度から始めた表彰制度に触れ、本年度もがん対策を推進している企業を表彰すると語りました。また2016年11月現在のデータを紹介。がん対策推進企業アクションに参画している企業は2172社で、その従業員は566万人以上におよぶこと、全国47都道府県に活動の輪が広がっている現況を説明しました。京都府からは89企業・団体が参画していることも紹介。最後にプロジェクトへのさらなる参画を呼びかけて事務局長は降壇しました。
がん対策推進企業アクション事務局長の川幡卓也
▲がん対策推進企業アクション事務局長の川幡卓也
中川先生の基調講演「職域におけるがん教育の必要性」
続いて東京大学医学部附属病院 放射線科准教授・中川恵一先生(がん対策推進企業アクション・アドバイザリーボード議長)が、『職域におけるがん教育の必要性』のテーマで講演を行いました。先生はまず「来年4月から学校(小・中・高)でがん教育が始まります。そのことを知っている人は」と質問を投げかけ、パラパラと手の上がった会場に向かって「子どもへのがん教育は始まるが、大人は手つかず」。講演の主な目的はその対策を進めることと説明しました。そしてがん教育が行われなかった日本は、病気に対する誤解が多いと事例をあげて紹介。欧米に比べて放射線治療や緩和治療が浸透していないことなどを語りました。

そして日本におけるがんの現状を解説。2016年の概算値で男性67%・女性51%ががんに罹患していて、がん患者は100万人を突破していること、ずっとがんが増え続けているのは先進国で日本だけであることを説明しました。一方でがんになった人の約60%は直っていること、早期大腸がんなどの5年生存率はほぼ100%というデータも紹介。ところががんと診断された人の多数が自殺していると、驚くべきデータを示しました。がんではない人に対し、がんになった人の(1年内)自殺は20倍。これもがんに対する正しい知識がないからと指摘しました。

約8年前から中学校などでがん教育授業を行ってきた中川先生。人口の少ない自治体で授業をしたところ、子どもから親へ知識が伝わり、がん検診受診率が上がったという事例を紹介し、市民講座などで大人に向けた授業も行っているが、こちらは少し様子が異なると語りました。日曜日の市民講座などに参加する人は意識が高い人。何年も続けていると見慣れた顔が集まるが、そういう人たちに改めて教育は必要ない。自分だけはがんにかからないと思っている人、タバコを吸い続けている人にこそ教育が必要で、そのため強制力を持つ職域の教育が重要ですと強調して、中川先生の講演は終わりました。
中川恵一先生
▲中川恵一先生
阿南さんの講演『失敗だらけだった!!~がんになった私の人生設計』
10分の休憩を挟んで壇上に立ったのは阿南里恵さん。がん対策企業アクションのアドバイザリーメンバーでもある阿南さんは23歳で子宮頸(けい)がんに罹患。子宮を全摘出しました。抗がん剤・放射線治療と5年の経過観察の後に講演活動開始。現在は大阪のゼネコンに勤務している阿南さんが、自身の体験を『失敗だらけだった!!~がんになった私の人生設計』というテーマで講演しました。

阿南さんが語った失敗は次の5つ。〈1〉人間関係ができていた職場を(がんになった自分を見られたくないなど)プライドのために辞めた〈2〉病気を隠して再就職。リンパ浮腫の後遺症が出て隠しきれなくなった〈3〉打ち明けた上司や同僚の理解を得られたものの、迷惑をかけていると退職。生活と収入が不安定になった〈4〉ならば自分でやろうと計画不十分のまま起業。大きな借金を抱えた〈5〉講演活動を始めた後は誰かのためにという意識ばかりで、自分のキャリア設計ができなかった。

自ら負のスパイラルだったと語る時期を乗り越えて、現在は病気を隠さず入った建設会社でインテリアコーディネーターとして活躍している阿南さん。リンパ管静脈吻合手術によって後遺症も改善したことも語りました。そして父親や義理の姉ががんに罹患し、家族ぐるみのケア・サポートが必要になっていることも紹介。がんは身近な存在で、本人だけでなく、家族の大きな問題になっていると語って講演を終えました。
阿南里恵さん
▲阿南里恵さん
ワコールホールディングスのがん対策について
続いてワコール健康保険組合の柏木裕之氏が登壇。平成27年度・厚生労働大臣賞を受賞したワコールホールディングスのがん対策を説明しました。社員の87%が女性。そして女性向け下着を主力製品としている同社は、早期からピンクリボン活動、リマンマ事業(乳がん手術を受けた人に向けた製品提供など)、乳がん検診サポート事業(検診車の貸し出し)を展開しており、社員への対策もきわめて充実していました。

柏木氏は、ワコールの取り組みとして、定期健康診断メニューに胃がん・肺がん・大腸がん検診を組み込み、〈1〉お財布要らず(一時的でも個人の支払い無し)〈2〉手間要らず(会社で受診できる)〈3〉休み要らず(就業時間内の受診)の環境を整備していることを説明。また、自社の検診車で乳がん・子宮頸がん検診を行っていることや節目年齢(40・45・50・55歳)での人間ドックも実施していて、補助金7.5万円の範囲で何度でも受診できる手厚い制度などが語られました。

社員の70%が百貨店など取引先で働いているワコール。柏木氏は外に居る社員への施策がポイントだったとこれまでを振り返り、今後は取引先と連携した禁煙サポートなどが課題とも語って、取り組み説明を終了しました。
ワコール健康保険組合の柏木裕之氏
▲ワコール健康保険組合の柏木裕之氏
その後は中川先生・阿南さん・柏木さんのパネルセッションへ。受動喫煙対策の重要性や、がん・生活習慣・メンタルヘルスの関連性などが語られ、京都セミナーは終演となりました。
中川先生・阿南さん・柏木さんのパネルセッション
▲中川先生・阿南さん・柏木さんのパネルセッション
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