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イベントレポート

2014/11/26
「平成26年度がん検診50%推進全国大会」を開催致しました

厚生労働省や日本対がん協会などは10月4日、「平成26年度 がん検診50%推進全国大会」を東京都・六本木ヒルズの大屋根プラザにて開催。女子マラソン五輪メダリストの有森裕子さんらを招き、がん検診の重要性を広く訴えかけた。
イベントに登壇した有森裕子さん(右)と東京大学医学部 付属病院放射線科の中川恵一准教授(左)
▲イベントに登壇した有森裕子さん(右)と東京大学医学部 付属病院放射線科の中川恵一准教授(左)
がん検診50%推進全国大会とは
がん対策推進基本計画の個別目標である「がん検診受診率50%」に向けた、国と企業、自治体などが協力して毎年10月1日から31日までの1カ月間を、「がん検診~キャンペーン月間」として啓発活動を行っている。「平成26年度 がん検診50%推進全国大会」は、その一環として厚生労働省などが「がん」に関する正しい知識や、がん検診の重要性を啓発するために行っているイベントである。
イベント主旨を説明する厚生労働省の健康局局長・新村和哉氏
▲イベント主旨を説明する厚生労働省の健康局局長・新村和哉氏
この日のイベントではまず、「平成26年度 がん検診50%達成に向けた体験談コンテスト授賞式」が行われた。同コンテストは、がん検診のキャッチフレーズ「がん検診 愛する家族への 贈りもの」にちなんだ体験談を400詰め原稿用紙1枚程度にまとめた作品の中から、がん検診に対する理解を深めるきっかけとなる作品を選ぶというものだ。
河野ひさ江さんには賞状と盾が贈られた
▲河野ひさ江さんには賞状と盾が贈られた
作品を朗読し、検診の大切さを訴える河野さん
▲作品を朗読し、検診の大切さを訴える河野さん
同コンテストで厚生労働大臣最優秀賞を受賞した河野(こうの)ひさ江さんに、厚生労働省の健康局局長・新村和哉氏より賞状とガラス盾が授与された。河野さんは作品の朗読も行い、親友に勧められてがん検診に行ったことや、そのおかげでがんを早期発見できたことなどを語り、がん検診の大切さを訴えた。
河野さんの話に聞き入っていたゲストの有森裕子さんも加えてフォトセッションが行われた
▲河野さんの話に聞き入っていたゲストの有森裕子さんも加えてフォトセッションが行われた
また、「健康寿命をのばしましょう! 」をスローガンに、運動や食生活、禁煙に関する呼びかけを行っている「スマート・ライフ・プロジェクト」の応援団を務めているアイドルグループ「乃木坂46」から、検診の大切さを伝えるビデオメッセージも届けられた。
「スマート・ライフ・プロジェクト」の応援団である「乃木坂46」の皆さん
▲「スマート・ライフ・プロジェクト」の応援団である「乃木坂46」の皆さん
早期発見すれば、5年生存率は9割
続いて行われた「がんに関するミニ講座」では、東京大学医学部 付属病院放射線科准教授の中川恵一准教授が講演を行った。
中川准教授は、「現在、日本は世界一のがん大国になっている」と、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっているという日本の現状を説明。そのうえで、がんは早期発見できれば9割が5年生存を達成できることを明らかにした。
中川准教授によると、そもそもがん細胞とは「DNAのコピーに失敗してしまった細胞」のことで、毎日約5000個も生まれているという。通常はがん細胞になっても、リンパ液が攻撃することによって消えてしまうが、時折その攻撃をとりこぼしてしまうことがある。
そのとりこぼされた1個のがん細胞が検診で発見できる大きさ(約1cm)になるには、10年~20年もの歳月が必要になるとされている。ところが、1cmから「早期発見」とされる2cmまでの大きさになるまでは約2年しかない。そのため、「定期的ながん検診が必要になる」と中川准教授は強調した。
がんについてミニ講座を行った中川准教授
▲がんについてミニ講座を行った中川准教授
その他にも、「多少、コゲを食べたところでがんになることはない」「お酒が『百薬の長』になるのは1合まで」「日光浴ががんの原因になるのは白人の事情で、アジア人にはあてはまらない。むしろ、適度な日光浴はアジア人にとってがん予防になる」など、世間でうわさされているがんの諸説について、いろいろな誤解があることを明かした。 がんは、昨日今日の生活が原因でいきなり発病するものではない。だからこそ、タバコなどの嗜好(しこう)品や運動不足などを含めた日常生活と、がんの発病リスクについての正しい知識を得ることが大切だと伝えた。
適度なスポーツでがん予防を
続いては五輪メダリストで、「いきいき健康大使」を務める有森裕子さんと中川准教授とのトークセッションが行われ、がん予防とスポーツについての話で盛り上がった。
「もっと企業もスポーツ活動を」と話す有森さん
▲「もっと企業もスポーツ活動を」と話す有森さん
中川准教授は、「スポーツはやればやるほど、がん予防になる」と断言。「現在、厚生労働省では週2~3回の運動を推奨していますが、欧米では週5回とされている」と、もっと運動してもよいと話した。
有森さんは、「以前は学校だけでなく、企業の運動会などの行事もありましたが、最近はあまり聞かなくなりましたね。そういえば、海外に行ってもホテルのスポーツジムにいるのは欧米の方が多い印象」と話し、「企業がスポーツイベントをやってくれたら、そこにどんどん若いアスリートも参加させて盛り上げて、たくさんの方の健康につなげられたら」と希望を語った。
医療とスポーツのコラボに期待を寄せる有森さん(右)と中川准教授
▲「医療とスポーツのコラボに期待を寄せる有森さん(右)と中川准教授
企業にとってのがん検診メリット
イベント後、さらに中川准教授にがん検診について話を伺ったところ、「企業ががん検診を推進することは、企業にとってもメリットがある」と語ってくれた。現在、学校などにおいては「がん教育」が授業に取り入れられているが、検診が必要な成人世代にがんのことを知る機会が無い状態になっている。
「がん検診は企業にもメリット」と話す中川准教授
▲「がん検診は企業にもメリット」と話す中川准教授
そこで重要になってくるのが、企業によるがん検診の推進。がんの治療は、発見が遅れるほど治療費が高額になってしまうが、早期発見できれば比較的少額に抑えることができるケースがほとんどだ。健康保険の負担額も減らせるうえ、会社の貴重な人材を守ることができるというわけだ。
「ある企業では、部下ががん検診に行かないと管理者が減給されるようになっている」と、強くがん検診を推し進める企業も出てきているという。現在、企業が率先して「がん検診受診」の大切さを呼びかける「がん対策推進企業アクション(厚生労働省委託事業)」が行われており、すでに参加している企業に加え、今年は300の企業・団体の参加を目指しているという。
「子供たちへのがん教育でも目標にしていることですが、『がんについて知ってもらうこと』と『命の大切さを知ってもらうこと』が大切です。がんという病気を知り、その知識がその人の人生をよくする。体は一種の消耗品で、命はいつか終わる。検診が、大人にとってのそういう機会になればと思います」。
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