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イベントレポート

2010/12/10
「がん検診企業アクション 推進パートナー勉強会(京都)」を開催しました

12月1日、京都市中京区の京都新聞文化ホールで推進パートナー勉強会を開催、企業関係者ら約140人が出席しました。
冒頭、がん検診企業アクションの松本事務局長が、死亡者数やがんになる人の数、医療費、働き盛りの女性のがん患者数増加などの数字を上げ、がん大国となっている日本の現状を説明しました。また、推進パートナー企業81社に送ったアンケート結果の発表を行い、がん検診の受診率や、検診内容などを報告しました。
引き続き、東京大学医学部付属病院放射線科准教授緩和ケア診療部長であり、がん検診企業アクションアドバイザリーボード座長を務められる中川恵一先生が、「がん検診後進国日本」をテーマに講演。中川先生は、「国民の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる日本は、世界一の長寿国でありながら世界有数のがん大国」という現状を踏まえ、「がんのこと」「がんにならないためには」などについて分かりやすく解説しました。
▲企業関係者ら140人が出席
人はなぜ、がんになるのか
「人間の体は60兆個の細胞からできていて、このうち毎日1%の細胞が死にます。減った細胞を補うため細胞分裂を行い、細胞の設計図であるDNAを毎日数千億回コピーしています。この過程でコピーミスを起こし、ある遺伝子に突然変異が起こった場合、止めどなく分裂を繰り返す『死なない細胞』ができます。これが『がん細胞』です」
と細胞分裂の過程で「がん」が生まれるメカニズムを解説する中川先生。がん細胞は、30代・40代から増え始め、60代では1日5000個もできますが、体には免疫機能があり、できたばかりのがん細胞を攻撃して死滅させています。しかし、この過程にもミスが起こる場合があり、それによって生き残ったがん細胞はその後、細胞分裂を繰り返し大きくなっていきます。やがて、他の場所にも転移していき、他の健康な細胞から栄養を奪い取って増殖していきます。
「がんは正常細胞の何倍もの栄養が必要なので、他の細胞は栄養失調の状態となってしまいます。がん患者が痩せていくのはこうした理由です」
がんにならないためには
早期のがんは、鳥かごの中の鳥を捕まえるようなもの、と中川先生は語ります。がんがまだ体の1カ所だけにとどまっている間は、治すのは比較的簡単です。しかし、転移が広がってからは、部屋の外に逃げ出してしまった鳥のように捕まえるのが難しくなり、わずかな例外はありますが、命を落とす可能性が高くなるのです。
「がんは、早期に治療すること、そして、がんにならないことが大事です。がんの原因の一つはたばこで、たばこの煙には50種類以上の発がん性物質が含まれています。吸う本人はもちろん、吸わない人も間接喫煙により影響を受けます。また、飲酒で顔が赤くなる人は、食道がんになる可能性が5~10倍高まるというデータがあります。食生活面では、肉食よりも野菜中心の食生活、適度な運動はリスクを減らします」
しかし、ヘビースモーカーであってもならない人はいますし、聖人君子のような生活を送っている人でもがんになる人もいます。
「生活習慣に気をつければ危険は減りますが、最終的にがんになるかならないかは、その人の持つ運も大きいといえるでしょう」との言葉に、聴衆も思わず顔を見合わせていました。
▲検診の有効性を強調   ▲早期発見することの大切さを訴える
胃がんは減少、乳がん・前立腺がんは増える傾向
続いて、がんの早期発見の大切さについて語られました。
「2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる現状を見れば、がんは誰もがなる可能性があるということです。がんによる死亡を減らすためには、がん検診が欠かせません。早期に発見すればするほど、完治できる可能性が高くなります」
胃がんが早期がんとして見つかった場合、その段階で治療を受ければ100%、がん全体でも9割が完治できます。たった一つのがん細胞が生まれてから、発見可能な大きさ(1~2cm)になるまでには10年から20年程度かかりますが、その間、患者には自覚症状がありません。だからこそ、定期的に検査することが大事なのです。
「胃がんの原因の一つはピロリ菌ですが、冷蔵庫が普及し衛生状態が良くなったことで減っています。逆に増えているのが男性では前立腺がん、女性では乳がんで、これは食生活の欧米化によるところが影響しています。女性ホルモン、男性ホルモンはコレステロールを材料に作られますが、動物性脂肪の摂取により性ホルモンの値が上昇し、乳がん、前立腺がんのリスクを高めるからです。食生活の欧米化に伴い、がんも欧米化しているのです」
「がん=手術」は過去の話
続いてのお話は、がんの治療方法についてです。
がん治療には「手術」「放射線治療」「化学療法(抗がん剤)」という方法があります。かつて日本では、がんといえば胃がんでした。胃がんは全摘出できる例外的ながんで、「がん=手術」というイメージができ上がりました。
「しかし、現在増えている前立腺がんには、がんを切らずに治すことができる放射線治療も有効です。『放射線で焼く』と言いますが、皮膚の温度は2000分の1度上がる程度なので、ほとんど感じることはありません」
乳がんについても、わずかに腫瘍の周辺だけ手術で取って、乳房全体に放射線をかける乳房温存療法が主流となっていると中川先生。子宮頸(けい)がん、喉頭がん、前立腺がんなどの放射線治療の治癒率も、すでに手術の場合とほぼ同じとなっています。
「日本の患者さんはこうした治療の知識、理解が外国と比べると少ないのが現状です。また、医療用麻薬の使用に関しての誤解や、緩和ケア、抗がん剤による治療方法も含め、がんの理解を深めていくことが大事です」
▲イラスト、写真を使って分かりやすく説明   ▲生活習慣の変更、検診受診の大切さを強調
アメリカで減っているがんが、日本では増えている
「がんに対して、即効性がある対策は検診だけです。しかし、日本人のがん検診の受診率は先進国の中で最低です。例えば、子宮頸がんは欧米では8割の女性が受けているのに日本では2割程度。受診率の低さの原因は、『自分だけはならないという思い込み』でしょう。繰り返し強調したいのは、がんは誰にでもなる可能性があるということ。早期発見であれば、がん全体の半分程度は治るのです」
たとえば、子宮頸がんにはワクチン接種が有効です。乳がんならマンモグラフィーによる検診、大腸がんであれば検便など、1年に1回の簡単な検診で発見できるのです。肺がんと胃がんについても、40歳以上からは年1回の検診が勧められています。これらの検診と生活習慣の改善により、がんで死亡する可能性は大幅に減らすことができます。
「これほど簡単なことを怠って命を落とすのは、非常にもったいないことです。昨年、地方自治体のがん検診推進事業として『無料クーポン』を配布したところ、子宮頸がん、乳がん検診の受診率が4倍になりました。今後も引き続き、行政、企業が検診の重要性を訴えていくことが大事です」
中川先生はこのように、「がん検診」の重要性を強調。また、子宮頸がんワクチン接種や、がん教育などの課題をあげながら、「検診を受けることが当たり前になる社会にならなければいけない」と訴えました。講演終了後は質疑応答が行われ、参加者から熱心な質問が寄せられていました。
▲がんへの知識、啓発活動の重要性を訴える中川先生   ▲「がんについてよく理解できた」という参加者の声が聞かれた
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